OnlineKHK03「危険な子音」の追加情報

前回のOnlineKHK講座は、「危険な子音」がメインテーマでした。

https://bit.ly/3hANpjAで見逃し配信受付中)

中でも危険な「H」を負荷なく歌う方法として「ヤギ一回」というのを提案しました。

後から気付いたのですが、この日、オープニングに使っていたPentatonixの曲で使われてました。メロディーを取っているスコット・ホーイングは、メロディーがオクターブ上がって自然に声門下圧が上がるから、おそらく無意識のうちに息が漏れる事を嫌ってこの歌い方になっているのだと思います。

ここです。

その証拠に、1オクターブ低いところは、Hに時間をかけていて、息が漏れている音が聞こえます。(0:19くらいから)

それに対し、上記の0:49からのオクターブ上がったところは、Hにかける時間が減り、ベルヌーイの法則でパッと寄り直した声帯が母音を鳴らしているのがよく聞き取れます。

見逃し配信動画の1時間9分辺りから説明している、ヤギのアーティキュレーションの話を、もう一度見直してからPentatonixの動画、改めて聞いて見て下さい。小森が言おうとしていたことがよくわかっていただけると思います。

たまたま、ですが、公開されたばかりで、講座のオープニング、待ち受け画面で使っていたこの曲の中で、講座で取り上げた「ヤギ一回」が使われているとは。何という偶然でしょう。

子音遊戯、楽しいです。

オンラインKHK-02 無事に終了

6月13日(土)のオンラインKHK-02は無事に終了しました。ご参加下さった皆さん、ありがとうございました。

ドイツ語の舞台語歌唱発音、今回は「発声と発音の関係」「ドイツ語の語尾処理」をテーマにお話をしました。

作品としては、ベートーベンのIch liebe dichをとりあげ、アナリーゼしつつ進めました。

間もなく参加者の皆さんのお手元には今回の資料のレジュメとアンケートのお願いが届くはずです。

次回は来月を予定しています。どうぞご期待下さい。

オペラ演出家 カロリーネ・グルーバー より

8月5日に行われるカロリーネ・グルーバー 声楽家のための個人レッスンにあたり、グルーバー女史よりメッセージをもらいました。
声楽家のための個人レッスンの記事についてはこちら

Szenischer Unterricht
Grundsätzliches
Um als Opernsänger im Musiktheater (vor allem in Europa und Amerika) Erfolg zu haben, reicht es heute nicht mehr, eine ‚schöne’ Stimme zu haben.
In zahlreichen Inszenierungen, die ich als Regisseurin gemacht habe, sind mir immer wieder Sänger begegnet, deren Stimmen unter ästhetischen wie musikalischen Gesichtspunkten wohl ausgesprochen schön zu nennen und technisch weit entwickelt waren.
Jedoch allzu oft blieben mir und dem Publikum diese Stimmen fremd, distanziert – zwar gesangstechnisch auf hohem Niveau ausgebildet und ausgereift, aber selten sinnlich berührend, das meint:
sie trafen nicht mitten ins Herz des Zuhörers, sie elektrisierten und erreichten uns nicht und verhinderten letztendlich den großen Erfolg beim Publikum und bei Agenturen, Operndirektoren und Intendanten und sie wurden nicht wieder eingeladen.
Der Beruf des Opernsängers setzt sich aus vielerlei unterschiedlichen Faktoren zusammen, unter denen die Gesangsstimme zwar einen zweifellos immens wichtigen Bestandteil ausmacht, aber eben nur einen Bestandteil.
Den anderen Teil kann man im „Szenischen Unterricht” erlernen:
Die Aufgabe des Regisseurs ist es, die fehlenden Faktoren zur
Entwicklung einer reifen, ausdrucksstarken und wahrhaft berührenden Künstlerpersönlichkeit offen zu legen, sie individuell zu benennen und sie mit dem Studierenden zu erarbeiten.
Dazu gehören vor allem Übungen zur Impulsarbeit und Improvisation, dem ureigensten Spieltrieb, den wir in uns haben, seit wir Kinder sind.
Unsere Impulse sind das authentischste und ehrlichste, was wir besitzen. Daher wirken sie auch am besten und schnellsten auf das Publikum. Diese Impulse spüren und zulassen zu können, das ist eine wichtige Grundlage für ein ehrliche und überzeugende Darstellung.
Dazu gehören aber auch Übungen zur Selbsterkenntnis: Wer bin ich? Wie drücke ich mich aus? Wie wirke ich am besten? Was fehlt mir, um mich perfekt zu präsentieren?
Auf diese beiden Fähigkeiten möchte ich mich in meiner Masterclass, in meinem Workshop konzentrieren. Denn hat man diese Fähigkeiten einmal erlernt, kann man sie bei jeder darzustellenden Opernszene und bei jedem Vorsingen anwenden.

日本語訳

演技のレッスン
基本的な事
オペラ歌手として音楽劇場(とりわけヨーロッパとアメリカで)で成功を収めるには、今日、「美しい」声を持っているだけでは十分ではない。
私が演出家として関わってきた、多くの演出プロダクションで、美学的、音楽的な視点から充分に美しく、技術的にも十分に訓練されている声を持つ歌手達と出会ってきた。
しかし、しばしば、彼らの声は私にも観客にもよそよそしく、距離を置いたものに留まった・・・声楽技術的には高い水準に訓練され、成熟したものであっても、感覚に訴える事が非常に稀だったのだ。
そういう歌手の声は聴衆の心の中心に響くのではなく、記号化してしまい、我々の心に届かず、ひいては聴衆やエージェント、劇場の演出ディレクターやインテンダント(劇場総裁)にとって公演の大きな成功を妨げるものとみなされ、もうオーディションの声がかからなくなる、と言う事である。
オペラ歌手の仕事というものは、非常に多くの、多彩な能力を必要とする。その中で「声」は疑いなく何よりも大切な構成要素であるが、それと同時に、一つの構成要素に過ぎない。
そして、声以外の構成要素を学ぶことができるのが「演技のレッスン」である。
演出家の使命は、欠けている要素を成長へと促し、強い表現力を持ち、真に心を打つ芸術家としてのパーソナリティをオープンにし、それらを一つ一つ列挙し、それらを学ぶ者達に習得させる事である。
その際に、衝動、即興を扱う練習は、人間が子供の頃から元々持っている遊戯衝動にとって、特に重要なものである。
我々の衝動は、我々自身がもつ、信頼できる、真摯なものです。そのため衝動は最善で最速に観客に作用するものでもあります。
この衝動を感じ、許容することは、真摯で大切な基本であり、説得力のある演技の基本となります。
また、自己認識のための練習も大切な要素です。私は誰だろう?私はどうやって私の表現をするのだろう?どうすれば一番効果的に表現できるだろう?私自身を完璧に表現するには何が足りないのだろう?
この二つの能力に、私はいつも私のマスタークラスやワークショップの中で集中的に取り上げて行きたいと思っています。何故なら、もしこの二つの能力を一度学んでしまえば、どんなオペラシーンでもどんなオーディションでもそれを活かす事が出来るからです。

About

歌唱発音研究隊(KHK)というのは仮称です。
研究隊、と言う名前に(とりあえず)したのは、供給側と需要側という二極では必ずしもなくて、共に歌唱発音を深めていこう、と言う思いがあります。でも多分そのうち別の名前になる気がします。

つまり、歌唱においての舞台語発音を最優先に取り扱います。歌唱に準じて、セリフのことも扱うかも知れませんが、基本的には「歌手のための発音」を扱います。
研究は大事ですが、実践がもっと大事と思っています。頭でわかっても音にならないのでは片手落ちですから、歌唱の中で機能する舞台語発音にこだわります。


そして・・・大風呂敷を広げる様ですが・・・日本の声楽文化全体の発展に寄与したい、と言う思いがあります。


代表:小森輝彦

第6回 ドイツ語歌唱発音講座 活動報告

20180912.6.jpg
報告が大分遅くなりましたが、第6回ドイツ語歌唱発音講座が無事に終了しました。
今回は「早口編」ということで、早い段階でテーマを設定し、告知しておいたこともあり、受講者の皆さんもこのテーマを踏まえて受講希望を出してくれました。この点、双方向になってきた感じが、とても嬉しかったです。
今回、新しかったのは、もう一つ、質問コーナーに時間をかけたことです。私が伝えたいこと、話したいことだけでなく、皆さんのニーズを吸い上げて生かしていくということができたことで、これも双方向のエネルギーを感じることができました。
演出家のカロリーネ・グルーバーさんがスペシャル・ゲストとしてきてくれました。愚息の通訳でなんとか講義も楽しんでもらえたようです。

“第6回 ドイツ語歌唱発音講座 活動報告” の続きを読む

第2回シュタープ・オイリュトミー講座

2018/08/29
日本人の立ち方~シュタープ・オイリュトミーと共に~
(第2回シュタープ・オイリュトミー講座)
20180829.3.JPG
沢山の方にご参加いただきありがとうございました。
シュタープという銅製の棒を使い、西洋人との身体の使い方の違いを認識して、舞台上での日本人としての立ち方、居方、歩き方を講師の宇佐美陽一さんに学びました。
また、「オイリュトミーとは何か」「オイリュトミーと音楽の関係性」など、実際に宇佐美さんに動いてもらったり、宇佐美さんと参加者の皆さんで対話をしたりしました。

“第2回シュタープ・オイリュトミー講座” の続きを読む

第2回 ドイツ語歌唱発音講座 オペラ編

第2回 ドイツ語歌唱発音講座 オペラ編
20170609.1.jpg
第二回講座、ドイツ語のオペラ編、お運び下さった皆さん、ありがとうございました。
第一回を超えるお申し込みを頂き、反響の大きさにも大いに励まされていたのですが、実際の二回目の講座では、想像以上に聴講者の皆さんのポジティブなオーラに包まれて、楽しくお話しさせて頂きました。
今回はオペラ編と題しながらも、80分のトークでオペラのドイツ語発音全てを網羅するのでは広く浅くになりすぎる、ということで、レガートとパルランドの共存、歌うことと話すことが共存しうることとその方法について重点を置いてお話しました。
ドイツ語においては子音を無視、軽視しては歌唱が不可能、だからレガートは難しい、という既成概念を覆す一助となれば幸いです。

“第2回 ドイツ語歌唱発音講座 オペラ編” の続きを読む

第1回 ドイツ語歌唱発音講座 基礎編

第1回 ドイツ語歌唱発音講座 基礎編
20170428.1.jpg
60人以上の参加者の皆さんにお集まり頂き、盛況のうちに終えました。お運び下さった皆さん、ありがとうございました。
アンケートからも、参加者の皆さんの強く真摯な関心を感じました。講座の中での質問コーナーでも多くの質問を頂き、ここからまた発展していくテーマもありました。こういうの、最高です。まさに研究「隊」の名前に相応しい会になりましたね。
講座終了後にも質問に来られた方も多く、もっと時間があればなぁと思いました。現実には18:30以前の開始は難しい様な気もしますが・・・どうでしょう?

“第1回 ドイツ語歌唱発音講座 基礎編” の続きを読む